信じることの癒し

執筆者 | 10月 7, 2016

医師の紹介で私のところへ来られた、60代の女性。
彼女の背部から肩にかけての痛みは慢性化していました。
快方へ向かう兆しを感じることができないという印象を持ちました。
彼女はこれまでに数々のセラピーを受けてきたそうです。
そして治療師たちに、「肩の痛みは背中からきている様な気がする」と訴えてきたということでした。
ですが、どの治療師も彼女の訴えを“聞く”という姿勢ではなかったようなのです。
このことがどうも彼女に失望感と、「どうして自分の話を聞いてくれないのか」という不満をもたらしていたようでした。
そのことが原因になっているのか、彼女は“触られる”ということに、とてもナーバスになっていました。
タオ指圧の強い圧を受け入れることができないようでしたので、私は、圧を加減し、その分、といっては何ですが、“祈ること”、“この人が痛み
から解放されること”をより強く思い描いて治療を続けました。
ですが、なかなか治療を受け入れられる心の状態にはなれないようでした。

しかし、この1回目の治療後、痛みは、かなり和らいだようでした。
そして何よりも、「自分の話を聞いてくれた」ということがだいぶ救いになったようでした。
それからは週1回のペースで治療を続けました。2ヶ月以上たったころには、たまに痛むことがあるというところまで回復しました。
私は、何よりも彼女が“他を信じる”、“信じてもよいのだ”ということを再確認できたこと、それが彼女にとって1番の癒しになったのではないかと思っています。

リー・シェン・サン