旅に出るしかない

執筆者 | 9月 16, 2015

通院中のSさんは、タオサンガのHPの“月間タオサンガ”を熱心に読んでくださっていた。そのSさんが、今日、施術前に興奮気味で語った。「今月号の、“質問箱”、、すごく、よかったです!ヒットしました!みんなに回しちゃいましたよ(笑)!!」という。こんなに明るい顔、初めて見た。“質問箱”とは、どんなお悩みにも答える、ご存知、和田寺の住職、遠藤りょうきゅうさんによる、人生相談コーナーである。

Sさんは、「小さい頃から、母親に支配されていてました。褒められるなんて一度もなく、わたしの顔を見るなり、怒鳴りちらすんです。もう、怖くて怖くて、、今でも、そうでんです、毒母です、。ほんとは縁切りたいぐらいなんです。」と言う。「、、私、よく自殺しなかったか不思議なくらいです。」

初対面の時から、ずっと硬い表情が続いていたSさんが、嬉々として賛嘆した、りょうきゅうさんの回答を、まだ読んでいない方に是非、読んでいただきたいと思った。もし、あなたご自身は親御さんとの関係が良好でも、あなたの友人やお知り合いに、母娘関係や親子関係で悩みを抱えている人がいたら、その方に、以下のQ&Aを回していただきたい。緊張や恐怖で固まってしまった顔に、微笑みが生まれ、(・・・もしかしたら、人生を変えられる、、。)そんな希望を持てるかもしれないので、。

〜〜〜月刊タオサンガ9月号より〜〜〜

Q1

〜小さい頃から、家庭内でいろいろとあり、冷戦状態だった時期や喧嘩ばかりしていた時期がありました。お互い年齢を重ね、反省し改めて家族として協力していこうと話し合いました。しかし、同じ事を繰り返す父に話し合いは何だったのだろうか、、と感じています。父は過去のことには触れるなと言います。でも私からしたら、過去という言葉で簡単に片付けられるものではなく、、うやむやになっている事を知る事で気持ちの整理がつくこともあると思い、正直に話して欲しい、と言うと、そのように逃げられてしまいます。知らなくていい事なのかもしれませんが、都合の悪い事は過去として片付けているように思えて、また信じようと思った気持ちが薄れつつあります。私が過去に執着しているだけなのでしょうか?

A1

日本人が今のように核家族になったのは、ここ数十年のことです。もともと「家族」というのは、親戚一同全員が暮らしているような状態を言ったのです。

それこそ、何十人もいるような状態ですから、誰がどうした、なんていうのは割とどうでも良く、今のように向き合うこともなんていう必要もなかったのです。(タイなんかは今でもそうですが、あんまり関係ない人も適当に住み込んでいたりして、出入りが自由です。そういえば、寅さんも出入り自由でしたね。血縁関係はあるけど)

元来、家族というのは、物理的生活を支える必要から存在して来たものです。家族が今のように少人数制になってしまうと、お互いのカルマがむき出しになり、人間関係が大変になるのは当たり前のことだと思います。

家族というのは、気に入らなければ、さよならできる通常の気楽な関係ではありません。切っても切れない縁やカルマで、否応なしに結ばれた関係です。

だから、これが少人数になってしまうと、ある意味、これほどしんどい人間関係はないと思いますよ。自分の縁やカルマと向き合わされるのですから。

家族仲良くなんていうのは、俳優が演じているテレビのCMの中だけのことです。「大草原の家」(だっかな?)という1家族4人だけのアメリカのTVドラマがありました。子供達が小さかったから良いけど、あれティーンエイジャーになったら、修羅場ではないかと思いますね。(笑)

“信じる気持ちが薄れて来た”というのは、「話し合い、仲良く、信じ合う家族」という、TV ドラマ的なイメージを持っていらっしゃるからではないかな、と思うのですが、、、、。

ところで、「家族としてつき合ったら大変だけど、他人としてつき合ったら良い人」というのは多いと思います。

ならば、他人としてつき合ったらいかがでしょうか? なあに、いつでも縁切る覚悟があれば、できますよ。いつでも縁切る覚悟で、家族と温かい人間関係ができたら、サイコーですね。

、、、家族に冷たくなれるのは、縁が切れないと思っているから。

   人に温かくなれるのは、いつでも縁が切れると思っているから。

、、、人間というこの矛盾に満ちた存在を、ぜひ、うまく生かして下さい。

Q2

親が宗教や東洋医学に強いトラウマがあり、以前、私が学んでいきたいことを正直に話した時に、関わらないでくれと泣きながら言われました。

今は学んでいることを親に隠し続けていて、親は知らない状態です。

しばらくこれを続けるしかないと思っていますが、身動きがとりづらかったり、他にも、どこか辛い気持ちを感じながら過ごしています。

このような場合、何か良い解決法はあるのでしょうか?

A2

面白いことに、ユダヤ人の母親と日本人の母親には共通点があります。

それは、「親は、子どもの罪悪感を利用して、子どもを外の世界に行かせないようにする」ことなんです。

ユダヤ人の母親は、ティーンエイジャーの子どもに「私は暗い部屋で座っているからねぇ、、、」と暗い顔でボソッと言って背中を向けて座り、パーティーに行かせないようにするそうですよ。それも、ちょっと怖い。(笑)

さて、通常の親は、自分の理解を超えること(特に自分にトラウマがある分野)を子どもがやりたい、と言ったら否定的になりますね。

本当は、それこそが「家族カルマ」を超えるチャンスなんです。だって考えてもみて下さい。親にとって、自分の理解を超えることを子どもがやることは、子どもが自分を超えていき、また子どもの代で、自分のトラウマを解消してくれることにつながるじゃないですか。

でも、それを自覚できるほど意識が高かったり、視野が広かったりする人(=親)って、そういないですよね。

それに、親の無意識内にある、心理学者ユングがいうところの「グレートマザー」の否定的な面は、子どもが成長することを望みません。自分の支配下に置こうとします。

昔話にある、「少年が森を旅して怪物と闘い、宝を持ち帰ってお姫様と結婚する」というストーリーは、”グレート・マザーと闘い、人生における大切なものを獲得する”という、子どもの成長物語なんです。

子どもの精神的成長のバロメーターの1つは、上手に親にウソがつけるようになることですよ。うまくウソをついて、親をハッピーにしてあげましょう。

昔話のように、子どもはいずれ人生の旅に出ます。でも、親がそこで泣いて止めるというシーンは昔話にないですよね。

それは、人生の宝を得るには(成長するには)、森の怪物を闘う(親の精神的支配と闘う)旅に出るしかないことを、人の無意識は知っているからです。

親のグレートマザーを、上手く断ち切って上げることもまた、子どもの勤めかも知れませんねぇ。お互いに否定的なものが断ち切れてこそ、将来、大人同士としての尊重し合える人間関係が生まれるのですから。

旅に出て下さい。応援しています。^ ^)/