痛みについて

執筆者 | 10月 10, 2016

以前、勤めていた職場(札幌)の関係で、一年の半分を地方の田舎で過ごすことがありました。札幌から毎日通える距離ではないところです。
                                 
はじめの年は、職場の上司や同僚とともに、現地の旅館にお世話になりました。
それは、女性が私ひとりだったことも理由ですが、「旅館の食事が、、」と言い訳して、次の年は半年間アパートを借りることにしました(確かに、その旅館の食事は ひどかった!おかずのほとんどすべてがスーパーのお惣菜。
揚げ物が多く野菜が極端に少ない。夕食が恐怖の時間になっていきました)。
                              
田舎の夜は、静かでした、、。アパートにはテレビもない。知り合いもいない。
読書ばかりでは、さすがに飽きてくる、、(このころお念仏に出会っていたらなー!)。
                                   
ということで私は、週末戻る札幌で「健康」に関する本を数冊購入しました。
この機会に実践してみようと思ったのです。
ひとつはマッサージ。もうひとつは、丹田式呼吸法。
マッサージは、もう痛くて痛くて、、。でも、この痛さが大事だと本に書いてあるため、泣きながら真面目に続けました、、。
そして 丹田式呼吸法(の練習)も真面目に続けました。
                               
ところがしばらくすると、毎朝半覚醒時に、腰に激痛が起こるようになりました。激痛というのは、まさにこのことだというくらいの痛みです。
身体が真っ二つに折れ、焼きごてを当てられたようです。
思わず唸り声を出して、毎朝泣きながら起き上がるのです。
ここは間違いなく地獄の3丁目だ!と叫びたいくらいでした。
                                  
突然始まったこの腰痛の原因が、私には、まったくわかりませんでした。
なぜ、痛みが起こるのが決まって朝の半覚醒時なのか(痛みは日中や夜には起こらない)。
重大な病気になったのではないか?と恐れました。
そしてより一層マッサージと呼吸法に励みました。
なのに、激痛はおさまるどころか、私の努力をあざ笑うかのように増していくのでした。
                                  
これが毎朝続くのなら、いつか生きる気持ちの折れる日がくるだろう。
その日もそう遠くない気がする・・・
いや、明日の朝だって耐えられる自信はない・・・
鳥のさえずりに微笑む朝とは一生無縁だ・・・
                                 
ですが、不思議なことに半年の田舎生活を終え札幌勤務に戻ると、腰の激痛はきれいさっぱり起こらなくなりました。
あれは、夢だったのかしら?と思うほどの変化でした。
                                 
私は、ようやくここで初めて原因は単なる「肉体」にあったのではない、ということに思い至りました。
                                   
気づくのが遅すぎだ、と私は思いました。
人は、自分のこととなるとわからないものだ、とも思いました。
                                 
田舎での勤務は、ある意味逃げ場がまったくないものでした。
無神経な上司もいました。
私は職場では極端に無口でした(笑うことあるんですか?と聞かれたこともある)が、心では様々なことを感じていたのでしょう。
                                   
でも、誰にも何も言えませんでした。
たぶん、自分自身にも(内心でも)言えなかったような気がします。
                                 
あの激しい痛みは何だったのか、と時々思い出します。
いまでも何か、大切なことを教えてくれているような気がするのです。
                                 
さて当時、札幌の本屋さんで田舎で読む本を探していた時のことです。
平台に積み重なっていた一冊を手に取りました。
遠藤りょうきゅう師の『タオ、気のからだを癒す』でした。
それは、タオ指圧を学び始める3年前のことでした。

中河 妙水 (中野・東京)