腰痛が治ったことさえ忘れて

執筆者 | 10月 8, 2016

Yさんは、健康に気を使い、できる限り身体のコントロールに留意されてきた女性でした。
ところが彼女は50歳にして双子を出産してから、腰の状態が坐骨神経痛のように不調になったそうです。それでも、“健康優良人”の彼女は、その後2年間もなんとか頑張ってきたのでした。
ところがある日、Yさんのご主人から「彼女は腰痛が酷くて寝られないよだ。また、子供も抱けないし、世話も満足に出来ない状態だ。私に時間があれば子供の世話のほうはなんとかなるのだが、時間もないし・・・」という電話がかかってきたのでした。

そして彼女は、私のところへ足を引きずりながらやってきました。
施療はつつがなく進み、帰るころには痛みも随分良くなっているようでした。私は、彼女は今後何度かタオ療法を受けたほうが良いだろうと思いました。
急いで家を出たためにスケジュール帳を忘れた彼女は、「次回の都合のいい日を電話しますね」と言って、にこやかに帰って行かれました。

ところが、次の週になっても、また何日か過ぎても電話はありませんでした。
彼女には、メンケン反応※に関することも伝えました。
十分に解って帰っていただいたはずだし、誤解などもないだろう、、などと考えているうちに、私の方も忙しさにまぎれてついついそのことを忘れてしまったのでした。

さて、それから半年もたったころ、当の彼女から予約の電話がありました。彼女と彼女の母親の二人の予約でした。
あれからどうしたのかと聞いてみると、あの一回の治療ですっかり治ってしまい、何故か報告するのを、すっかり忘れてしまったのだそうです。
「気がついてみると、あ、そうか、あれ以来よくなったんだなあ、、またお願いしようか、ならついでに母も・・・」という具合で電話したそうです。

そして、今はまた以前のようにしっかりアクティブに動き、気になることといえば、ちょっと片方の足が固い程度、と彼女。
治ったときに、今まさに治ったということさえ忘れてしまい、それを越えて未来に向かっていってしまう、ということがタオ療法では、ままあるようです。

※メンケン反応 : 治癒の過程で起こる、一見好ましくない反応のこと。

ジーニー・クローニン (モントリオール・カナダ)