今から二十年以上前のことである。
その患者さんは、とある著名な精神分析家であった。

実は心理療法を学ぶ私は、最初は彼から夢分析を受けていた。
そして、その彼が尿管結石を患い、タオ指圧を受けることになった。

尿管結石というのは、文字通り尿管に石がつまる病気で、発作時には、
激痛が走る。
それで彼は、私の所に来院されたのである。

証を取ってみると、経絡としては“腎経の虚”である。
これは、ストレスをからだが支え切れなくなって、病気を起こしたものと
みられる。

その後、10回ほどの治療を行うと“トイレで小便時に「カチン」と音がしま
した”と言われた。
結石が排出されたのである。

・・・東京のアパートの一室で、ささやかに開業していた頃のことである。
(遠藤喨及)

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