タオ指圧の創始者は、遠藤りょうきゅう住職。
東洋医学の根幹である気と経絡、ツボの秘密とその実態を解明し
生まれた手技療法です。タオ療法の臨床家や教室は、世界八か国に
あり、日々世界各地で、その治療効果が実証されています。

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腕が回らない原因はどこに?

「2年前からなんです」
センターに来られたこの方、体を横にしないと腕が回りません。
「痛みはひどいのですか?」
「動かさなければいいですが、それでも常にしんどい感じです。」
話を聞いてみると、医者からすすめられた様々な運動、さらにヨガ、マッサージ…
といろいろ試してはみたが、どれも効果が感じらなかったそうです。それどころか、
かえって悪くなってきているようだ、とのことでした。

このようなことは、これまで施療してきてよくあったことでした。しかし、今回は
そういった先入観を断ち切って施術をしてみました。
すると、どうもただ肩を痛めた、というだけではなさそうな気がしたのでした。
そこで、私は施術後に、その辺のことを詳しく尋ねてみようと思ったのです。
ところが、ご本人は腕をまわしてみて、
「あ、回る、痛くない!」
と喜ばれていたので、その時は詳しいことには敢えて触れないことにしました。
そこで、
「完治したというわけではないので、しばらく施術を定期的に続けてみませんか?」
と以降の施術をすすめてみたのです。
すると、その方は一瞬私を見つめて、
「その方がいいでしょうか」
と少し怖がっているような様子を見せたのでした。
私はそれを受けて、
「私と一緒に治してゆくつもりで、とりあえず来週いかがですか?」
と、その方に寄り添うように、改めてすすめてみたのです。
するとその方は「そうですね!」と快く受けて下さったのでした。

pinknohana

明らかにするよりも大切なこと

そして週が明けて来られたところ、
「痛みが昨日戻った。けれど前よりは動きは良いと思う」とのこと。
さて、施術にかかると、奥へと響く感じがしました。
さらに私はその方に、寂しさ、悲しみ、怒り、といった様々な感情を感知したのでし
た。
“ あ~これは深いものがあるな ”
そこで、それらの感情の転換を祈って施術をすすめました。
果たして、施術後はかなり良くなったのでした。

さて、それから何度目かの施術の時に、
「実は諦めていたので言いませんでしたが、25年前に事故に合い腰を痛めました。
それからずっと股関節が痛かったのですが、だんだん良くなってきているようです。
これからは日にちを決めて定期的に通いたいです」
と、その方から言って来られました。
私はもちろん喜んで承諾しました。

それからです。
来院される度に、この方の怒りや悲しみについて、私たちは話し合いました。というより、
分かち合ったという方がいいかもしれません。
以降、いろいろな都合で治療が途切れることもありました。そして、症状も一進一退を
繰り返しました。それでも、この方は確実に良くなっていったのでした。

そして、1年少し経った頃からでしょうか、
もう二度とできないと思っていたハイキングに重い荷物を背負って行ったり、
ヨガクラスでも以前は痛くてできなかったポーズがとれるようになったり、
ずっとパソコンにつききりでいても以前のように腕が上がらなくなることもなくなったり、
長い間散歩をしても問題なくなってきたのでした。

その方とは、精神的な問題や事故の詳細については特に話をしませんでした。
ところが、ある時非常に感謝をしてくれて言ってくれたのです。
「あなたは本当に親身に私の話を聞いてくれる。繊細に気を使ってくれる。
だからでしょうか、ここへ来ると気持ちが本当に楽になるんです」と。

人には、その通ってきた道の内容がどうこうというよりも、その道を分かち合える、
そのことの方がより大切なのかもしれません。