M・Mさん(40代女性、東京都在住 )

紀伊国屋書店で遠藤喨及先生ご著書の『タオ指圧入門』に出会った。
タオ指圧は、東洋医学に基づきながらも、遠藤先生が自らの修練を
通じて会得した体系から成り立つものだ。
その内容については、おそらく賛否両論があろうかと思われた。しかし、
私にとっては難しい東洋医学の本等と比較しても理解しやすく、
共感とともにぐいぐいと引き込まれていくのを感じた。そして、親しい
友達にも、すごい本があるよ、と紹介するほど、その内容に惚れこん
でしまった。

その後、是非とも、タオ療法を受けたいと思うようになり、ホーム
ページを検索し連絡をしてみると、実際に施療を受けることができる、
ということがわかった。迷わずに予約をお願いし受診した。

私は、30歳代後半から白髪が出始め、この頃では、近くの文字が
見えにくくなりはじめていた。さらに40を過ぎるころから、今度は
髪が薄くなり、42歳にして早くも老眼鏡をかけねば本が読めなく
なってしまっていた。

以前読んだことのある漢方医学の考え方から、“おそらく、命の源で
ある腎の気が弱っているためかもしれない”、と考えてはいた。では、
どのように対処すればいいのか?
腎の気を養う黒色の豆を食べ始めたが、知識のない自分には手に負えない
ほど、老化のスピードが普通よりも速いように感じられた。

だから、タオ療法を受けるにあたっては、その思想やスタイルに共感し
単純に興味を持ったということと同時に、もしかするとじわじわと
迫ってくる老いに、なんらかの対処方法を見出してもらえるかもしれない、
という期待もあった。

チューリップの写真

今までに4回受療した。その結果、既に抜け毛が減ったとか、近くの
物が良く見えるようになったとか、そのような兆候はまだないのだが、
実に面白い経験を重ねることができた。

タオ療法を受けていると、単純にとても気持ちが良い。それだけではなく、
基本的な指圧を受け、虚する経絡に沿って邪気を流し指先からびりびりと
邪気が流れていくのを感じた後は、すっきりと体が軽くなるのだ。
心も体も爽快な気分になるのである。

2回目の施療では、15年以上前に骨折した足首の傷について質問を
された。それは、自分自身が忘れるほど、長い間、痛んだり、疼いたりし
たことのない傷だ。
しかし不思議なことに、施術の翌日から傷が疼きだした。
先生に報告すると、古い傷も本当に癒されないうちに封をしてしまって
いるものもあるそうで、“表に出して癒してあげる必要がある”
とのこと。
体の不思議を感じると同時に、なんだか自分の体が愛おしくなった。

3回目の後は、自分の弱さに直面せざるをえないような経験が
続いた。それは、自分を責め続けるうちに存在意義にも疑問を持つ
ほど、久しぶりに打撃を受けるような経験だった。

次回の施療を目標に何とかがんばり、4回目の施療を迎えた。
精神的打撃を受けたために、体がぎゅっと硬くなっているのを感じるが、
体をほぐしていただくうちに、心までほぐされていった。
施術後に、今回は自分の弱さを責めて、とてもつらい思いをしていたと
報告すると、“自分の弱点や嫌な面は責めたりせずに在りのまま状況を
認識すればいいのだ”と教えられた。
“認識し理解することで、状況は変わっていく。認識せずに隠したり
見ないふりをすると、いつまでもその嫌な面は繰り返す”ということだった。
足の傷や心の弱さなど、タオ療法を受けると、隠していたもの、蓋を
していたものが、自分の意思とは無関係に、自ら癒されたがって表に出て
くるようだ。

私の個人的な実感ではあるが、タオ療法は、体の症状を癒すことを
目的としてはいるが、同時にその症状をもたらした感情や心にも深く
働きかけるものなのではないか。
たった4回ではあるが、毎回の施術を通じて自分自身が変化していく、
そんな不思議な経験を重ねつつある。今後も、心身ともに経過を楽しみに
観察していきたいと考えている。