春が来た

執筆者 | 12月 7, 2016

R子さん。センターに通われて、もう、かれこれ5、6年は経つだろうか。アクセサリー作りの職人さんで朝から晩まで座って作業しているので、どうしても腰や腕に負担がかかり月に1〜2回、通院なさってる。

数ヶ月前、気付いた。それまでとは明らかに違う笑顔を見せてくれる彼女に。う〜ん、何か、円満な微笑みというのか、よほど何か佳い事があったに違いないと訊ねてみると、R子さんは「何もないですよ!』けろっと言う。

まあ、笑顔を見せてくれるのは何より幸せなことだし、それ以上、何も聞かず、いつも通り施術を始めた。

そして、一ヶ月後。

施術が終わった後に「、、実は結婚します!」と照れくさそうに打ち明けてくれた。

その時の私は嬉しくて万歳したいくらい気分だった。それと、初めて来院した頃の彼女のことを思い出して驚いていた。

実は、彼女には辛い過去があった。タオ指圧に出会うずっと以前、付き合っていた相手に言葉の暴力を受けて傷だらけだった。

タオ指圧を受療し始めの頃は仕事の疲れを取ることよりも、むしろ深い心の傷のダメージを癒すことが施術のメインだった。

そんな彼女が、明るい表情で自信に満ち、時折よく通る声で目の前で笑っている。そこには来院し始めの頃の影は微塵もなく、まるで別人が座っているようだった。

ちょっと相手の男性がどんな感じの方か気になってしまい、聞いて見ると誠実そうな方だったので安心した。

きっと、この出合いも神仏からのギフトだと信じ、仏様に感謝した。

R子さんの長い冬に終わりを告げて春が来た。