「宗教なんかこわくない!」

執筆者 | 5月 26, 2016

オウム真理教事件に関する書籍は多い。この著書もその中の一冊で、オウム真理

教の事件後まもなく出版されました。

まだ、事件は遠い記憶ではなく、生々しく残っている時期でもありました。

 

私は、オウム真理教に関して特別な関心を寄せているわけではなかったのです

が、「宗教」というものを自分なりに考えてみたかった。

 

読んでみてすべてをすんなりと理解はできなかったけれど、大事なことが書かれて

いることは感じることができた。私が誰かに聞いてみたかったことが、ここには書か

れている、そう感じました。いまでもたまに、気になるところを読みかえしたりしま

す。

 

この本は、オウム真理教のことだけにふれているのではなく、とてもユニークな

宗教論でもあります。著者である橋本治氏は、宗教について徹底的に考え抜いた

のだろうと、思います。「考え抜く」というのは、単に頭でする行為ではなく、全身

全霊での行為なのだと教えられた気がします。内容に賛否はあると思いますが、

その全身全霊からつむがれた言葉には力があり、生き生きして、年月を経ても

対話が可能です。知識量とユニークさ、そして全身全霊で考え抜いた気迫と内容

の説得力に圧倒され、なかなか対話が成立しませんが。こんな風に自由にものを

考えられるということが人間には可能なのだという、そのことに感動します。