空を舞うカモメ

執筆者 | 10月 18, 2012

ある朝の事。

とっくに陽は昇っていたが前夜の帰りが遅かったせいで、まだ寝足りず頭から布団を被っていた。ラジオからは、いつものFM放送局の音楽やDJの笑い声が、半分寝ている耳にも聞こえていた。が、体の芯が目覚めずゴロゴロしていた。

と、その時、DJの声が急に静かになり、一冊の本を紹介し始め数行、朗読し始めた。

私はこの番組の本の紹介コーナーは今も時々聞いている。布団の中でユーモアやウイットに富んだエッセイなどの朗読を聞き、感心し、クスクス笑い、ようやく脳が覚めてくる、、僕の脳覚まし時計のような存在だ。

その時のDJの朗読はいつもと違い、、心地よい緊張感が漂っていた。読み始まると私の耳も吸い寄せられ、気がつくと心と体の全部が目覚めていた。

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ジョーンズは言葉を継いだ。

「ちょっと尋ねたいことがある。君が完全に心を入れ替えるには、この質問に対する答えを理解しておく必要があるんだ。準備はいいかね?」

「はい」

ヘンリーは用心深く答えた。

「五羽のカモメが防波堤にとまっている。そのうち一羽が飛び立つことを決意した。残っているのは何羽だい?」

「四羽です」

「そうじゃない。五羽だよ。飛び立とうと決意することと、実際に飛び立つことはまったく別物だからね」

ジョーンズは説明した。

「いいかね?誤解されがちだが、決意そのものには何の力もないんだよ。そのカモメは飛び立つことを決意したが、翼を広げて空を舞うまでは防波堤にとまったままだ。残りのカモメとどこも違わない。人間だって同じだよ。何かを決意した人と、そんなことを考えてもいない人とでは何の違いもないんだ。」

この本は、ダイヤモンド社から出版され、タイトルは「希望を運ぶ人」。著者はホームレスからベストセラー作家になった、アンディ・アンドルーズ氏。おすすめの一冊です。