この若い女性は、不眠と下腹部痛それと制御不能な悲しみを抱えてやってきました。恋人と別れたばかりだと話してくれました。
ところが、彼女はひどいくすぐったがりやで、腰部と臀部に治療が及ぶと声を上げて笑いまくるのでした。
さらに次の治療の時には、それが首の後ろ側にまで及び、とうとう私にも伝染したようで、つられて一緒に笑い転げてしまう始末でした。
聞いてみると、ストレスが高まるとどうしようもなくおかしくなり、仕事先でもどこででも所かまわず笑い転げてしまうという話でした。
彼女はタオ療法を受療したあとは、別れた恋人のことを思い出すたびに感情が制御不能に なってしまうことに気づくようになりました。
そして、この自らの感情の放出そのものが恐怖の対象になっていったようでした。
しかし、それも治療を続けていくなかで、平常心でいられる状態は確実に長くなっていきました。
そして、最後の治療の時です。
百会のツボに触れられると、彼女は全身に悪寒を感じたようでした。
と同時に私は、まるで一陣の風のように、何か大きなエネルギーのようなものが彼女の頭のてっぺんから吹き上がってくるのを感じました。
それはまるで憑依していた霊が立ち去っていくという感じでした。
その後、彼女は、感情も落ち着き制御もできるようになり、随分静かに暮らせるようになったのです。
ジーニー・クローニン (モントリオール・カナダ)