すべての因縁を光に!

こんにちは。タオ療法の奈良あみです。

瞬く間に2023年も終わりを迎えようとしております。いかがお過ごしでしょうか?

人生には思いも寄らない出来事が待っていることがあります。

喨及先生のブログでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、先月、私たちは長い間一緒に指圧を学び、NPOで活動してきた仲間を失いました。とても急なことでした。

その友人は本来の喜びの世界に還ったという想いと同時に、もう彼女に会えない悲しみや大きな喪失感もありました。

この出来事をきっかけに、私はある尼僧さんの話を思い出しました。

その尼僧さんとは、日本のマザーテレサ、あるいは日本のヘレン・ケラーとも呼ばれる大石順教尼さんです。私はその弟子の南正文さんのドキュメンタリー映画『天から見れば』で初めて彼女の存在を知りました。

大石順教尼は、舞踊で将来を嘱望され、師匠でもある中川萬次郎のもとに養女になります。17歳の踊り手としてもまさにこれからという時、不幸が彼女を襲います。

それは師匠であり養父の萬次郎の狂乱によって、両腕を切り落とされてしまうのです。当時屋敷にいた5人は斬殺され、「堀江6人斬り」という事件として世間にも広く知られました。

重傷を負った順教尼ですが、奇跡的にも一命をとりとめました。

その後は苦難の連続で、将来の夢を絶たれ、周囲の好奇の目に耐えつつ、巡業芸人生活をしていました。そんな時にカナリアがくちばしで雛に餌をやる姿をみて、口で筆をとり書画を描きはじめます。その後、画家との結婚、2児の出産、離婚などを経て出家得度。自在会(のちの仏光院)を設立し身体障碍婦女子の福祉活動に献身されます。

南正文さんは、大石順教尼の最後の弟子で口筆で日本画や毛筆に取り組まれ、公募展で入選、受賞を繰り返したそうです。

私がその映画の中でもっとも心に残ったのは、南正文さんが、順教尼の両腕を切り落とした中川萬次郎のお墓参りをするシーンでした。もし、萬次郎が順教尼の腕を斬ることがなければ今の自分はいなかっただろうと。。

順教尼は加害者である中川萬次郎を悪くいうことは決してなかったといいます。むしろ、事件の直後に、判事らが事件の証人でもある順教尼に話を聞いた際には、萬次郎の刑を軽くして欲しい、刑が軽くなるためならどんなことでもすると懇願さえするのです。

師匠として養父として尊敬し恩義を感じていたため、死刑の直前には面会に行き、殺された5人と中川萬次郎を供養のためお墓を建てます。

もし、5人を殺し、一人の両腕を切り落とした人間がいたとしたら、狂乱の殺人鬼としてその人は語られるのではないかと思います。

しかし、生き残った順教尼の生き方によって、順教尼が両腕がないからこそ救われたという教え子がいるということに大きな感銘を受けました。

「存在とは因縁である」と教えていただいたことがあります。あらゆるご縁がなければ存在はなく、その因縁がほんの少し違っていたとしても、今の「自分」としての存在はないのです。

そして生きていく過程においては、ネガティブなものもあればポジティブなご縁もあります。場合によっては自分を永遠の被害者において、加害者を永遠に加害者にしておくことも可能です。

しかし、ネガティブ、ポジティブという見方さえも自分の都合による見方で、大きな視点から見ればあらゆる因縁が”命”を生かすためのご縁なのかもしれません。

順教尼が教えてくださったのは、あらゆる因縁を光に変える可能性を、私たち一人ひとりは持っている、ということなのではないかと思います。

一人の命が輝くということは、その因縁全てが輝くのだと。

南正文さんは、海外や国内で講演活動、自費で国内の少年院を慰問、タイの里親制度に対する支援、ネパールに学校を贈る活動にも参加していたそうです。順教尼・萬次郎の一見不幸とも思える因縁は、未来の子どもたちにも繋がっているのです。

大きなことをするのではなく、ほんの少しのことでも良いと思うのです。カルマに流されれば、辛い苦しい人生です。だからこそ、そんな中で、笑顔で挨拶をする、感謝の気持ちを伝える、相手の話を心を込めて聴く、生きている今この瞬間に感謝するだけでも、因縁は軽く明るくなるのではないかと思います。

今年も残りわずかですが、かけがえのない皆さんの2023年が光輝く素晴らしい時間になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

記:奈良 晃命(なら あみ)

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