こんにちは、奈良あみです。 春分を過ぎ、日差しがふっと柔らかくなってきましたね。こんな季節の変わり目は、身体だけでなく、心もそっと脱皮したくなるような気がします。
自分の血となり肉となっているものは、気がつきにくい。 たとえそれが、自分を縛っているものであったとしても。
「世間を持ち込まない」とは何か
タオ指圧のクラスには、こんな教えがある。 「道場に入ったら、世間を持ち込まない。」
肩書き、経歴、学校で学んだ知識、「常識」と呼ばれるあらゆるもの。それらをいったん、入口に置いてくる――ということだ。
「世間から解放されるなんて、素敵じゃないか」と最初は思った。でも、長年どっぷりと世間に浸かってきた身には、これが一筋縄ではいかない。学べば学ぶほど、「これも囚われだったのか!」 と驚くことばかりだ。
「年齢」という名の囚われ
その代表格が、「年齢」ではないかと思う。
私たちは相手の年齢に関心を向けるとき、どんな心の状態にあるだろうか?
「私より若いか、年上か」「あの人より上か、下か」
「世間的にその年齢なら、結婚しているはず」「もうリタイアしている頃だろう」――そういった”年齢の常識”が、知らず知らず私たちの目を曇らせる。そしてそれは、他者だけでなく自分自身にも向かってくる。
「私はもう年だから……」
この言葉、ポジティブに使われることは、まずない。自分の挑戦を手放したり、可能性を狭めるときに出てくる言葉ではないだろうか。
比較の習慣は、生まれた瞬間から始まる
私たちは生まれて間もない頃から、年齢(月齢)を軸とした比較にさらされている。
「生後3ヶ月の発達はこのくらい」「この子、ハイハイが遅い」「もう歩いた、早い!」
大人たちの一喜一憂の中で育つうちに、いつしかその価値観が自分の中にインストールされていく。「常識」という名の内なるものさしが出来上がるのだ。
赤ちゃんが生まれた瞬間のことを思い出してほしい。その時ただ感じたのは、無事に生まれてきてくれた、ただいてくれるだけでありがたい、という純粋な喜びだったはずだ。
年齢を超えた出会い――HOPE80の話
昨年、NPOアースキャラバンが主催した「HOPE80」というプロジェクトがあった。第二次世界大戦中の指導者たちの子孫が集まり、「昨日の敵は今日の友」を合言葉に世界を巡った。
トルーマン大統領の孫・クリフトン、ガンジーのひ孫・トーシャ、強制収容所の生存者の孫・マガリ、収容所所長の孫・ジェニファー、東條英機のひ孫・東條さん、チャーチル首相のひ孫・ルーシー。
クリフトンはクリフトンだし、トーシャはトーシャだ。二人とも小学生みたいにジョークを言い合い、マガリはお母さんのような温かさがあった。年齢なんて関係なく、それぞれがそれぞれだった。
年齢で人を見なくても、関係は十分に成立する。むしろその方が、ずっと自然だ。
「氣のからだ」という視点
「でも、肉体は必ず衰える。それが物理法則だ」と思う人もいるだろう。
確かに、肉体は衰える。それは事実だ。
でも面白いことに、自分の存在を「肉体」として意識するよりも、丹田から広がる「氣のからだ」をイメージした方が、氣は強くなる。タオ指圧の「練氣」というトレーニングも、まさにそのイメージで行う。
肉体を力で動かせばエネルギーは消耗する。でも氣のからだでやると、クラスが終わる頃には始まる前より元氣になっている。不思議だけれど、本当のことだ。
これは、説明を聞いただけではなかなかピンとこないかもしれない。実際に体験してみると、自分の身体で感じることができる。
イメージは、現実に影響する
私たちの現実は、イメージに沿って現れる。
「アラフォーはおばさんだ」「70歳になったら年寄りだ」と思っていれば、その人はそのイメージ通りになっていく。
なぜなら、肉体はモノではなく、”心”そのものだからだ。
肉体をモノとして、物理的な老化を前提にしてしまうと、精神もそこに従属し、年齢とともに心まで老いていく。でも本来は、見えないものが土台となって、現象が現れる。
魂は何者とも比較できない。ありのまま肯定されるものだ。いくつになっても魂は成長し続けられると思っていれば、肉体的な縛りから自由になれる。
ここで、視点を少し変えてみてほしい。
時間は、未来からやってくる。
過去からの積み重ねだと思えば、今が一番「年老いている」瞬間になる。でも未来からやってくると思えば、今がいちばん若い。
檻から出てみる、ということ
小さい頃から植え付けられた、年齢という思い込みの檻から、もし望むなら、自由になってみてもいいのではないか。
自分の思い込みは他者をも縛る。逆に言えば、あなたが自由になることは、他者を自由にするきっかけにもなる。
タオ指圧の場では、相手の年齢も肩書きも知らなくても不自由しない。ただそこにいることが、そのまま受け入れられている。そんな場を、4月から「希望の火ギャザリング」として東京で開いていきます。はじめての方も、ぜひ気軽にどうぞ。
