みなさま、こんにちは。
タオ療法臨床家の大森未久です。
11月7日は二十四節気の立冬でしたね。
暦の上では冬に入りましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
これからの寒さに負けないからだをつくるため、冬に向けて体調を整えていきたいですね。
皆さんは「京丹後長寿コホート研究」というのをご存知でしたか?
私も最近まで知りませんでした。
まず、京丹後市は京都市に比べて、大腸がんの罹患率が2分の1以下だそうです。その原因は、腸内環境の違いではないかと考えられています。
「京丹後長寿コホート研究」では、京丹後市と京都市に暮らす65歳以上の高齢者の腸内細菌叢(腸内フローラ)を遺伝子解析しました。
すると、京丹後市の高齢者の腸には、酪酸産生菌(酪酸菌)が多かったのです。
酪酸産生菌は、いわゆる善玉菌の一種です。そして、腸内フローラのバランスを整えたり、免疫の過剰な反応を抑える、制御性T細胞を増やすのです。
ではなぜ、京丹後市の高齢者の腸内には酪酸産生菌が多いのでしょうか?
結論から言えば、それは昔ながらの食生活だからです。
魚や海藻類、豆やイモ、根菜、玄米などの全粒穀類が中心の食事で、食物繊維の摂取量が多いのです。
ただ、ここで注意しなければいけないことがあります。それは、ただ単に腸内に酪酸産生菌が多ければいいという事ではないことです。
腸内環境を良い状態に保つためには、腸内細菌の多様性が重要だからです。
腸内細菌の多様性が見られる京丹後地域の高齢者は、毎日、海藻類、イモ類、全粒穀類などを食べる人の割合が高いのです。
そして、これらの食材からとれる共通の栄養素が、食物繊維で、これは善玉菌である酪酸産生菌のエサとなって、善玉菌を増やすのです。
ところで、同一家庭でその子ども、孫と3世代の腸内フローラを調べてみたそうです。すると、世代が若くなるほど多様性が低下していることがわかりました。
なぜでしょう? これには食生活が大きく影響していることが考えられます。
腸内で悪玉菌を増やす甘いものや、肉を多く食べるようになったことが原因ではないか、と考えられているのです。(やはり、砂糖/ショ糖、健康的な飼育をされてない肉などは注意ですね)
そして、海藻類、豆やイモ、根菜などと共に、朝・昼・夜の主食の1つでも、玄米や全粒粉のパンなど、精製されていない全粒穀類をとるのが、よろしいかと思います。
この情報が、皆さんのお役に立ちますように!
<参照>
日経Gooday
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/21/082400032/090700003/?P=2
記:大森未久(おおもり みく)
高校時代から「人はどうしたら健康になれるのか?」に興味があり、大学では栄養学を学ぶ。さらに鍼灸専門学校にて鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得する。その後、タオ療法に出会い修行を続け臨床家になる。